遠方の家をモデリング

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今回は、前回モデリングした庭園灯を配置するための舞台となる公園の周辺の家をモデリングしていきます。
照明器具が主役となるため、建物や公園の遊具などはかなりラフなモデリングを行います。
家の形状(アセット)はいくつかモデリングしておくと、町中の表現で再利用できるかと思います。

家のサイズ

家をラフにモデリングするため、まずは基準の寸法を決めていきます。
土地の広さを坪単位で表現する場合、1坪は3.30579 m2となります。
これは、正方形で表現すると1.818(m) x 1.818(m)ほど。
これは畳で言うと、中京間の長辺の長さ(1.82(m)ほど)に近いです。

住宅の平均坪数は建物によってもちろん差はありますが、だいたい40坪ほど。
35~45坪くらいを目標に、いくつか家をモデリングしていくことにします。
40坪の場合は、平方メートルで表現すると3.30579(m2) x 40 = 132.2316 (m2)となります。
これは平方根の計算を行うと、一辺が約11.5(m)の正方形のサイズです。

家のモデリング (遠方向け)

チュートリアルの「建物を作る」で一通り家のモデリングについての説明をおこなってますので、これらを参考に外側のみを作ります。
窓はテクスチャとして表現することにしました。
ポリゴンメッシュの直方体で家の壁を作成し、屋根としてポリゴンメッシュの直方体を配置し、屋根の側面が台形になるように編集しました。
これは「寄棟」の屋根になります。

寸法の参考として、地面の位置に40坪相当の正方形を配置しています。
家の壁の高さを3750(mm)、屋根の高さを2580(mm)としました。
また、壁の上下の面(天井と床)は不要のため削除しておきます。

これは、一階建ての建物になります。
遠方の家はこれくらいのモデリングとし、次にテクスチャを割り当てていきます。

テクスチャの作成

家のテクスチャとして、「基礎」「壁」「窓」「雨戸」「玄関のドア」「屋根」をそれぞれ数種類テクスチャで用意することにしました。
まず、テクスチャを2Dペイントツールで作成します。
1枚のテクスチャに複数の要素をまとめて入れています。

どの2Dペイントツールを使うかによりますが、上記はグリッドを表示して正方形の領域ごとに
壁の色(単色)や窓、網戸、玄関ドアなどを描いて配置しています。
テクスチャサイズを512 x 512ピクセルとしました。

家のポリゴンメッシュをループスライスで分割

下部の「基礎」、窓、雨戸、玄関のドアなどが四角形として取り出せるように
ループスライスを使用して面を分割していきます。

表面材質のマッピングにテクスチャを指定

家の壁の表面材質ウィンドウでマッピングの「ベースカラー」に対して2Dペイントツールで作成したテクスチャイメージを割り当てます。
ここでは「PBRマテリアル」を使用しています。「Shade3Dマテリアル」時は「拡散反射」にマッピングします。

家の壁にテクスチャを割り当て

正面図/右面図で一番下の面を選択します。
これは基礎となる部分です。

UV図面を表示し、ナビゲーションツールの右端をクリックして表示されるポップアップメニューより「画像を表示」を選択します。

選択した面に対応するUVをUV図面上で縮小し、テクスチャの灰色の位置に移動させます。
なお、この操作ではUVメニューで「UVポイントの吸着」をオフにしておいてください。
それ以外を壁としてUV図面上で縮小し、テクスチャの黄色の位置に移動します。
透視図では以下のようになりました。

窓を配置する面を選択します。正面の壁で2つの面を選択しました。

UV図面のUVメニューより「UV作成」を選択。

ツールパラメータの「投影UV作成」を選択し、「投影面」は「正面図」として「選択面を展開」ボタンを押します。
以下のように2つの面がUV図面で表示されました。

UV図面で選択された2つの面を重ねて同じ大きさにします。
テクスチャイメージ上の窓の位置に移動してサイズを調整しました。

透視図では以下のように窓が貼られた状態になりました。

この操作を四方の面ごとに行い、窓/雨戸/玄関のドアのテクスチャを調整しました。
以下のようになりました。

屋根にテクスチャを割り当て

屋根のテクスチャイメージは2Dペイントツールで以下のように描きました。

テクスチャサイズを256 x 256ピクセルとしました。
複数の色の種類を用意しておくのがよいかと思います。
表面材質でマッピング時に「反復」を使います。

透視図では以下のようになりました。

これで、1つの家が完成しました。
この手順の場合テクスチャを再利用できるのとモデリングが簡単になるため、量産していくのに適しています。

それでは、いくつか家のバリエーションを増やしていきます。
1つの家ごとに1つのshdファイルに保存していきます。

いくつか家をモデリング

いくつか家をモデリングしていきます。
これらのモデリングは今までの応用になりますので、モデリングした形状を列挙するだけにしました。

一階建ての家。出っ張りをつけています。

囲いを作りました。

マテリアルは新たに追加しています。テクスチャは、屋根の色違い(灰色寄り)にしています。
囲いは再利用できるため、別形状として保存しておきます。

二階建ての家で、屋根を茶色にしたもの。

また、玄関ポーチは他の家で再利用できるため、別形状としてshdファイルに保存しておきます。

ベランダも他の家で再利用できるため、別形状としてshdファイルに保存しておきます。

家含めて、それぞれのモデリングは非常に簡素です。
それぞれをもっと詳細に落とし込んでもよいのですが、それはモデリング時間との兼ね合いになりそうです。

二階建ての家で、屋根を「切妻」にしたもの。

このモデリングは、1つ前の二階建ての建物をY軸中心に180度させて微調整したものです。
ベランダと玄関ポーチは使いまわししました。

以上のように、建物を量産していきました。
数はあればあるほどよいため、もう少しバリエーションを増やしていってもよいかもしれません。
マンションや学校などもあるとよさそうです。

建物を並べていく

これは仮の検証用の作業になります。
新しいシーンを作成し、今まで作成した建物をインポートしていきます。
このときに、「外部参照」として読み込みました。
たくさんの同じ形状を並べる場合、外部参照として形状を使用して「リンク」で複製を表現するほうが管理しやすいです。
また、レンダリングの速度向上にも貢献します。
個々の家は非常に単純なモデリングですが、広い空間に並べるとそれらしく見えています。

外部参照として読み込んだ形状は「マスターオブジェクト」として配置されます。
マスターオブジェクトから、リンクとして形状が複製されています。

リンクを複製して、家を並べました。

4つの家を元に複製していってるのですが、遠くから見る分にはかなり省いたモデリングでもそれなりに見えています。
最後に、パストレーシングでレンダリングしました。

今回はここまでです。
次回は、家以外の「木」や「道路」、地図をベースとして公園を中心とした街並みのモデリングを行う予定です。

カテゴリー: 街灯を作る