前回は「ウォーム」をモデリングしました。
このウォームにかみ合わさる形で「ウォームホイール」をモデリングしていきます。
「歯車を作る」の手順と同じになりますが、平歯車に比べて少し調整がいります。
以下を考慮する必要があります。
- ウォームとかみ合わさるように、歯のサイズを同じにする
- 歯がウォームとかみ合わさるように少し傾ける
歯のサイズを同じにする
ウォームをモデリングしたときは、1つの歯のサイズは以下のように120mmにしています。
このサイズにかみ合うように、ウォームホイールの歯も調整する必要があります。
ウォームホイールの歯車のベース部分は
「歯車のベース部分をスクリプトで効率化してモデリング」のスクリプトで作成することにしました。
このときに歯のサイズを固定(ここでは幅が120mm)にしたい場合は、
「歯車の半径(R)」もしくは「歯数」のどちらかを固定にして計算することで、もう片方が決まります。
「歯車のベース部分をモデリング」に書いている計算式を参照します。
以下の場合は、Dが1つの歯の幅(120mm)、角度を10度としています。
D = R * sin(10度) * 2
この場合の歯数は「360/(10 * 2) = 18」となります。
Dに120を入れて、Pyhtonスクリプトで以下のように計算します。
import math
angle = 10.0
D = 120.0
R = (D / 2.0) / math.sin(angle * math.pi / 180.0)
print R
結果は「R=345.526228989」となりました。
半径「345.526228989」、歯数「18」を「歯車のベース部分をスクリプトで効率化してモデリング」に書いたスクリプトに入れて、
歯車のベースとなる閉じた線形状を作成します。
歯車のベース部分をウォームにかみ合うように回転、移動させると以下のようになりました。
厳密には歯の形により衝突が起きたりするのですが、「かみ合ってるように見える」ようにするだけですのでこれで進めていきます。
歯車に厚みをつけてウォームとかみ合うようにする
ウォームを正面図や右面図で見ると、ネジ状に斜めに巻かれています。
ウォームホイールをこのウォームにかみ合わせるようにするには、
歯車の厚み方向で歯が斜めに傾いている必要があります。
これは以下の手順で厚みを付けることにしました。
- 「自由曲面」パートを配置
- 歯車のベースの「閉じた線形状」を複製し、厚みとして与える
- 歯車の1つの「閉じた線形状」を軸方向に少し回転させてひねる
歯車のベースの「閉じた線形状」を複製し、厚みとして与える
「自由曲面」パートを生成し、歯車のベースの「閉じた線形状」を複製。
厚み方向に移動して以下のようにしました。
歯車の1つの「閉じた線形状」を軸方向に少し回転させてひねる
自由曲面パート内の「閉じた線形状」を1つ選択し、Z軸中心にマニピュレータを使って少し回転させます。
ウォームの斜めにかみ合わさるように回転の向きを確認しながら調整し、以下のようにしました。
自由曲面の厚み方向にてゆがみができたため、
自由曲面をブラウザで選択して、ツールボックスより「切り替え」+「アンスムーズ」をかけます。
これで、以下のように厚み方向で直線的になりました。
再度「切り替え」を行い、元の2つの「閉じた線形状」に戻しておきます。
歯車を閉じる
今はウォームホイールの歯車の側面だけができているため、
正面部分と背面部分を閉じます。
自由曲面内の「閉じた線形状」を複製し、+Z軸方向に少しだけ移動。
XY平面上で少し縮小し、面取りとします。
この「閉じた線形状」を再度複製し、「一点に収束」します。
これで片側が閉じられました。同様に、もう片側も閉じておきます。
以下のようになりました。
軸部分に円状の凹みを入れる場合などは、「歯車に厚みを付ける」も参照するようにしてみてください。
軸部分に円柱を配置
ツールボックスの「作成」-「形状」-「一般」-「円柱」を選択して、
図形ウィンドウでドラッグして円柱を配置しました。
これでウォームホイールが完成しました。
パートを作成し「ウォームホイール」と名前変更。
この「ウォームホイール」パートに「自由曲面」と、軸の「円の掃引体」を入れました。
モデリングはこれで完了したので、
次回、ウォーム+ウォームホイールでのモーション設定を行います。