建具のモデリング

  • 面選択時のベベルで凹凸を作る

建物を作る際の素材として、いくつかの建具(壁に取り付けるドアや窓など)はあらかじめ作っておきます。
SHADE3D CREATORS(https://shade3d-creators.jp/)にいくつか登録されてますので購入して使するのが手っ取り早いかと思います。
今回は、その建具のモデリングです。

ほとんどは直方体で構成されますので、モデリングは簡単な部類になります。
壁の幅(壁厚)よりも大きな奥行きでモデリングするようにします。
ここでは、引き戸の室内ドアのモデリングを行います。
窓やトイレドアなどはここでモデリングした引き戸を流用することで、効率化できそうです。

原点位置と寸法の確認

ここでは、ポリゴンメッシュで建具をモデリングするものとしています。
また、正面図から見て建具の左下が原点となるようにしました。
これは、部屋のシーンに建具を配置した場合に位置合わせをしやすくするための指定になります。
下画像の正面図の赤丸部分が原点になります。

上面図から見て、Z方向が壁厚の方向になります。ここでは、壁厚よりも大きなサイズを指定します。
また、正面図から見てX方向が壁の横向きになります。
910mmを部屋の最小単位にして平面図を与えている場合が多いと思われるため、
その場合はだいたいその倍数になるようにすると、後々壁にフィットさせやすいです。
上記の場合はX方向のサイズは1740mmとし、910mm x 2に収まるようにしています。
ただし、部屋に配置する場合、配置できる範囲は壁厚分狭くなるため、それも考慮して寸法を与えるようにします。
下画像の場合は、910mm x 1820mmの敷地のトイレにドアをつける例です。

この場合は、「910 – (壁厚/2) x 2」、つまり「910 – 壁厚」より小さい幅でドアをモデリングする必要があります。

外枠をモデリング

さて、ドアを囲む外枠をモデリングします。
これはポリゴンメッシュの直方体を配置していきます。
左が全体表示、右が角を拡大したものです。

また、茶色のマスターサーフェスを割り当てました。

レールをモデリング

外枠の下側に、引き戸をスライドするレールを配置します。
レールの端を少し出っ張らせました。

この出っ張りのモデリングは以下のように行います。

直方体のポリゴンメッシュを作成します。

形状編集モード」に移行し、ツールボックスの「編集」-「メッシュ」-「編集」-「ループスライス」を選択。
稜線選択モード」に移行し、短いほうの稜線上をクリック。これをもう一回繰り返して下画像のようにします。
赤丸の位置でループスライスしました。

形状編集モード」+「面選択モード」で、透視図より出っ張らせる面を選択。
ツールパラメータの「編集」-「メッシュ」-「編集」-「ベベル」を選択し、
ツールパラメータの左から4つめの「ベベル」を選択して透視図で上にドラッグします。

出っ張りができたため、ツールパラメータで「確定」ボタンを押すか[Enter]キーを押すと確定されます。

外枠の上にも、同じようにレールの溝を設けました。

引き戸をモデリング

引き戸部分は、外枠を作ってから中に薄い直方体を入れます。

引き戸の下は、レールを挟むことができるように凹形状にします。
これは、レールを作った時と同じ面ベベルで処理します。

引き戸に取っ手の金具をつける

引き戸の中央の端に、取っ手をつけます。
直方体を配置し、ループスライスで4か所を分割。
中央の面を選択して面ベベルで凹形状にすることで取っ手の形にします。

以下のように配置しました。

引き戸の前後に配置してます。
この引き戸で作成したポリゴンメッシュは、パートを作成してそこに入れてまとめておきます。

引き戸を複製

引き戸のパートを複製し、上面図から見てZ軸方向にずらして配置します。

このとき、もう一方の引き戸はY軸中心に180度回転させます。
上面図でマニピュレータを使用して[Shift]キーを押しながら回転させると180度回転させやすいです。

マスターサーフェスの割り当て

全ての形状に対する表面材質の割り当ては、マスターサーフェスとして与えるようにしておきます。

これは、部屋のシーンに建具をインポートした場合に同じマスターサーフェスの場合にまとめるようにするなど、
表面材質を後々管理しやすくするための処理になります。
例えば「ドアの外枠」は、他の窓やトイレドアなど他の建具でも共有できる材質になります。

以上で「引き戸」のモデリングは完成になります。

他の建具をモデリング

開閉する室内ドアは、外枠やドア自身などのサイズだけ調整して、引き戸のモデリングをそのまま流用しました。

取っ手などの金具は別途モデリングして配置しました。
マスターサーフェス名も、引き戸と共通するものはそのまま使用しています。

窓は、外枠は流用し、窓部分のガラスは表面材質を新たに与えています。

上画像はガラス部分は透明になります。

このような感じで、建具は量産していくと後々いろいろな建物に流用できる素材になり重宝することになります。

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