- NURBSでの分割レベルの調整
- レンダリング時の「レイオフセット」の調整
今までモデリングした電話をレンダリングします。
複雑なNURBS形状の場合は、レンダリング前の処理に時間がかかります。
現在の無限遠光源だけが光源として存在する状態で、プレビューレンダリングします。
角部分に黒い部分が出てしまってます。
これは、NURBSサーフェスの分割レベルが足りない場合におきます。
NURBSの分割レベルの調整
NURBSサーフェス「本体」をブラウザで選択し、形状情報ウィンドウの「分割レベル」を調整します。
初期状態で2になっているため、これを3にします。
NURBSの「分割レベル」を上げると、内部的な面数が増加するため処理時間がかかるようになります。
「本体_ボタン」も分割レベルを3にしました。
これでプレビューレンダリングすると以下のようになりました。
「本体」と「本体_ボタン」の境目に黒い箇所が見えていますね。
これはNURBS形状が異なるために微妙な段差が見えるのでしょうか、分割レベルを上げても残るようでした。
これを消します。
わずかな段差にできるノイズを消す
イメージウィンドウでレンダリング設定を開き、「その他」タブの「レイオフセット」を「絶対値」「0.5」と変更しました。
これは、レイトレース時に開始位置を面からわずかに浮かすための距離値になります。
レイオフセットを故意に大きくすることで、微妙な段差はスキップされます。
プレビューレンダリングすると、「本体」と「本体_ボタン」の境目が目立たなくなりました。
後はライティングと最終レンダリングに向けて調整します。
地面を配置
CADモードで、「作成[CAD]」-「円」を選択し、上面図でドラッグして地面となる円を配置。
「編集[CAD]」-「面を張る」を選択してNURBSサーフェスにします。
これを「地面」と名前変更しました。
「地面」をブラウザで選択し、ShadeExplorerより「表面材質」-「10_Wood」-「bna_02.shdsfc」をダブルクリック。
木目の材質を割り当てました。
プレビューレンダリングして以下のようになりました。
ライティング
3DCGモードに切り替え、面光源を配置していきます。
無限遠光源の「明るさ」「環境光」を0にして無効にします。
電話を中心に、キーライト/フィルライト/バックライトの3つの面光源を配置する三点照明としました。
上記はレイトレーシングでプレビューレンダリングしてます。
それぞれの面光源を選択し、形状情報ウィンドウで「可視」チェックボックスをオンにして映り込みに反映されるようにしてます。
リニアワークフローの処理を行う
拡散反射テクスチャと拡散反射色を逆ガンマ補正
よりフォトリアルにするために、拡散反射として使用しているイメージをブラウザで選択して、形状情報ウィンドウで「ガンマ」を「モニター(1.0/2.2)」に変更。
拡散反射色を使用している場合は、表面材質で拡散反射色を画像にし、画像としてのガンマを「モニター(1.0/2.2)」に変更。
マッピングの「イメージ/拡散反射」として割り当てます。
色補正でのガンマ指定
「色補正」ウィンドウでの「ガンマ」を2.2にします。
大域照明をパストレーシングにする
イメージウィンドウのレンダリング設定で「手法」は「レイトレーシング」のままにします。
これは、今回のシーンでは表面材質の「荒さ」を使ったざらつきの表現がないため。
この場合は、「パストレーシング」にしなくても問題ありません。
このほうがレンダリング速度アップします。
「大域照明」タブを選択し、「パストレーシング」を選択。
「拡散反射カットオフ」は初期状態の0.05のままにしておきます。
これは、シーン全体が明るいため。
室内レンダリング時のような間接光が充満した部屋での暗い部分の境界が見えることがなさそうなためです。
拡散反射カットオフ指定をしたほうがレンダリング速度アップします。
「反射係数」は2.0にします。
レンダリング
レンダリングを行うと以下のようになりました。
少し全体的に均一な明るさで面白くないので、個性を出すために面光源の明るさを調整します。
面光源の明るさを少し小さくして、フィルライトの明るさをさらに下げて影響を弱くしました。
位置や向きはそのままです。
色補正ウィンドウで「ゲイン」を微調整し(1.3としました)、レンダリング結果は以下のようになりました。
以上でNURBSを使用した電話のモデリングからレンダリングは、すべて完了しました。
次回、また別のテーマでチャレンジします。