- 缶内の暗がりの表現
缶のモデリングで、PBRマテリアルの割り当てを行います。
テクスチャマッピングを行う箇所は、側面のラベル部だけのためUV指定は不要です。
なお、レンダリングの特性で缶の内部が暗くなる表現は少し細工をする必要があります。
これについても解説していきます。
PBRマテリアルを割り当て (Professional ver.20 -)
PBRマテリアルは3つ割り当てます。
- 底面、上面、プルタブ (マスターマテリアル名 : 缶_アルミ)
- 内面 (マスターマテリアル名 : 缶_アルミ_内側)
- 側面 (マスターマテリアル名 : 缶_ラベル)
底面、上面、プルタブ (マスターマテリアル名 : 缶_アルミ)
底面、上面、プルタブに対して、「缶_アルミ」名のマスターマテリアルを割り当てます。
ベースカラーをRGB(240, 240, 240)、メタリック 1.0、ラフネス 0.25、屈折率 1.5、透明度 0.0、発光 0.0、としました。
マッピングは指定していません。
内面 (マスターマテリアル名 : 缶_アルミ_内側)
内側の面は現実では「缶_アルミ」と同じマテリアルになりますが、これは現実とは異なる表現になります。
レンダリングではレイトレーシングで行われますが、この場合はレイは缶内に閉じ込められて出てこない状態になります。
ただ、レイトレーシングレンダリングでは「視線追跡レベル」で上限が決められており、
反射(メタリック)成分が強く、白に近いベースカラーの場合(アルミなどの金属のマテリアル)は、この数値をいくら上げても暗がりは表現できません。
以下は仮の背景を指定し、パストレーシングでプレビューレンダリングしました。
そのため、「缶_アルミ_内側」はあえてベースカラーやメタリックの値を下げています。
ベースカラーをRGB(69, 69, 69)、メタリック 0.26、ラフネス 0.3、屈折率 1.5、透明度 0.0、発光 0.0、としました。
プレビューレンダリングすると以下のようになりました。
側面 (マスターマテリアル名 : 缶_ラベル)
側面部はぐるっと一周分のラベルをペイントツールで描き、それをマッピングしました。
以下のようなテクスチャを800 x 512ピクセルで作成しました。
ベースカラーをRGB(240, 240, 240)、メタリック 0.3、ラフネス 0.36、屈折率 1.5、透明度 0.0、発光 0.0、としました。
マッピングは「イメージ/ベースカラー」を追加。
合成は「乗算」とし、「イメージ」タブでマッピングの向きを調整しています。
左右反転/上下反転/90度回転、をオンとしました。
プレビューレンダリングすると以下のようになりました。
仮で割り当てた背景画像を削除し、「缶コーヒー.shd」としてファイル保存します。
スタジオシーンでレンダリング
レンダリング結果の確認のため、スタジオシーンに外部参照として「缶コーヒー.shd」をインポートします。
スタジオシーンについては、「アセットとして小物をモデリング」の「スタジオシーンを作成」をご参照くださいませ。
プレビューレンダリングすると以下のようになりました。
今回は、レンダリングで視線追跡レベルを上げても暗がりができないパターンの説明でした。
次回は、別のアセットについて説明していきます。