- 玄関のフットライト
- 玄関の埋め込み照明
「照明器具を作る」では室内の照明器具についてモデリングする内容を展開していました。
今回から複数回に渡って、このとき説明できていなかった室外の照明についてモデリングしていきます。
なお、今回はShade3Dのどのバージョン、グレードでも扱えるようにしておきたいため、
表面材質は「Shade3Dマテリアル」を使用することにします。
家の形状
家の形状は、「建物を作る」でモデリングした建物を使います。
ここのポーチに照明をつけていきます。
また、家の周りの門などもモデリングしていくことにしました。
家の地面の周囲(犬走り)はレンガの模様で囲っています。
また、柵で家を囲むようにしました。
パストレーシングでレンダリングすると以下のようになります。
このモデリングは特に新しいことはしていないため、さらっと説明していきます。
レンガ模様のテクスチャを割り当てたポリゴンメッシュを家の周囲に配置しました。
地面よりわずかに浮かせています。
また、門まではコンクリートのテクスチャを割り当てた高さが低い直方体を配置しました。
門の両端は、単純な直方体で構成しています。
玄関ポーチを被写体にレンダリングする際は見えない箇所ため、詳細はモデリングしていません。
柵は直方体の組み合わせで構成しています。
柵の形状で、家の周りぐるっとを囲っています。
玄関周りの照明の種類
玄関の照明は、壁面の低い位置に埋め込んで足元を照らす「フットライト」、地面や床にから照らす埋め込み型の照明、玄関の入り口の壁配置する「ポーチライト(ブラケットライト)」などがあります。
これらの照明をモデリングしていきます。
この建物の玄関の場合は玄関の外にフットライトをつけるスペースがないため、玄関内にフットライトを設けてみました。
今回は、フットライトと埋め込み型の照明をモデリングしていきます。
フットライト
フットライトをモデリング
フットライトは、壁面の低い位置に埋め込んで足元を照らす照明になります。
照明は新規シーンで作成し、家のシーンにインポートしました。
サイズは、100(mm) x 100(mm)の正方形で奥行きは20(mm)としています。
光源として面光源を使いました。
枠部分は、XYZが100 x 100 x 20のサイズになる直方体のポリゴンメッシュを作成。
形状編集モードに移行し、ループスライスを使って正面図で4か所の分割を行います。
形状編集モード+面選択モードで正面の中央の面を選択します。
ツールボックスで「編集」-「メッシュ」-「編集」-「ベベル」を選択し、図形ウィンドウで下に少しドラッグして内側に凹ませます。
この形状名を「枠」と変更し、少し黄色寄りのマスターマテリアル(マスターサーフェス)を割り当てました。
「枠」のくぼんた箇所に収まるように面光源を配置します。
面光源は、面が重なることによる干渉を防ぐために「枠」の中央の面よりわずかに+Z方向に浮かして配置しています。
形状情報ウィンドウで「可視」チェックボックスをオン、「明るさ」を250(mm)、「光源の色」を白寄りでわずかに黄色としました。
これで「フットライト.shd」としてファイル保存します。
家のシーンにフットライトをインポート
メインメニューの「ファイル」-「インポート」-「形状データ」を選択し、「フットライト.shd」をシーンに取り込みます。
玄関の壁の低い位置にフットライトを移動させました。
光源を調整
フットライトを映えさせるために、夜のシーンにします。
背景ウィンドウのテクスチャ濃度を1.0から0.1に変更しました。
無限遠光源ウィンドウの「明るさ」を1.0から0.02に変更しました。
月明りなどがないとする場合は0.0でも問題ありません。
レンダリング
パストレーシング+パストレーシング(イラディアンスキャッシュを使用)でレンダリングすると以下のようになりました。
以上で、フットライトのモデリングとレンダリングが完了しました。
埋め込み型の照明をモデリング
埋め込み型の照明は、地面に埋め込んで上方向に照らす照明になります。
これは玄関の外のポーチの横に配置するようにしました。
直径 100(mm)の円状としています。
形状としては「ダウンライトのモデリング」とほとんど同じになります。
また、目立たない形状のため光源は簡略化することにしました。
埋め込み型の照明を、別のシーンでモデリングしていきます。
モデリングは自由曲面を使いました。
半径50(mm)の「円」を作成し、「閉じた線形状」に変換します。
「自由曲面」パートを作成してこの「閉じた線形状」を入れ、複製して以下のような形にしました。
中央がくぼんた形状です。閉じる処理は「一点に収束」を使用しました。
また、形状名を「<枠」として自由曲面の分割レベルを上げています。
この形状に、少し黄色のマスターマテリアル(マスターサーフェス)を割り当てました。
自由曲面の「閉じた線形状」の内側の円の形状を複製し、自由曲面の外に出します。
これを面光源にします。
また、面が重なることによる干渉を防ぐために「枠」の中央の面よりわずかに+Y方向に浮かして配置しています。
自由曲面の外に出した「閉じた線形状」を選択し、形状情報ウィンドウの「可視」チェックボックスをオン、
「明るさ」を250(mm)、「光源の色」をわずかに黄色に近づけました。
これで「閉じた線形状」は「面光源」になります。
面光源の明るさは、フットライトの時と同じ明るさにしています。
「埋め込み型の照明.shd」としてファイル保存します。
家のシーンに埋め込み型の照明をインポート
「埋め込み型の照明.shd」を家のシーンにインポートします。
玄関ポーチ横のレンガのテクスチャ上に配置しました。
レンダリング
背景ウィンドウでテクスチャ濃度を0.01と小さくし、無限遠光源の明るさを0としました。
ほとんど暗闇になるようにしています。
一度レンダリングして確認します。
以下は、埋め込み型の照明の面光源の明るさが250(mm)の場合です。
フットライトの時と違い、付近の壁で相互反射しない空間のためあまり明るさを感じません。
そこで、埋め込み型の照明の面光源の明るさを600(mm)に変更しました。
家の壁に光が届くような明るさとしています。
これくらいの明るさになると、足元はなんとか見えそうです。
今回はここまで、玄関でのフットライトと埋め込み型の照明のモデリングとレンダリングの説明でした。
次回、それなりの装飾が必要となる玄関ドア横の「ポーチライト」についてモデリングしていきます。