「フライパン」のモデリング

  • 「フライパン」をモデリング
  • 両面(裏面カラー)」で面の表裏を明示
  • 目立たない部分は、省略を行い最適化
  • サブディビジョンサーフェスの活用


キッチンの調理道具として「フライパン」をモデリングします。

モデリングは自由曲面、ポリゴンメッシュの両方を使用しました。

「フライパン」をモデリング

フライパンは、本体部、取っ手、本体と取っ手をつなぐ金属、の3つのマテリアルで構成するようにしました。

また、モデリングで自由曲面とポリゴンメッシュをどちらも使用しています。

フライパンの本体部をモデリング

フライパンの本体部をモデリングします。
正面図で、フライパンの側面を「開いた線形状」で作り、Y軸上向きを軸として回転体にします。

以下のような回転体になりました。

ツールパラメータで「自由曲面に変換」ボタンを押して、自由曲面にします。

2か所の出っ張りをつけるため、上面図で4か所の切れ目を入れます。

上面図で見たときに、円の閉じた線形状になるようにします。
ブラウザで自由曲面を選択します。
ツールボックスの「編集」-「線形状」-「編集」-「切り替え」を選択し、上面図で「閉じた線形状」が円状になっているのを確認します。
以下は、「切り替え」を行った後、自由曲面内の「閉じた線形状」の1つを選択しています。

この状態から、ツールボックスの「編集」-「線形状」-「編集」-「コントロールポイントを追加」を選択し、
上面図で円を横切るようにドラッグします。

これを、3か所で繰り返し、以下のようにコントロールポイントを追加しました。

この「コントロールポイントを追加」は、形状編集モードにした後、
Windows環境の場合は[Z]+[X]キー(Macの場合は[option]+[command]キー)を押しながら図面上をドラッグするキーボードショートカットでも行えます。

形状編集モードで、上面図でZ軸上にあるコントロールポイントをいくつか範囲選択します。

ツールボックスの「作成」-「移動/複製」-「移動」-「回転」を選択し、右面図で選択されたコントロールポイントの一番下を中心に外側に傾けます。

出っ張りが1つできました。もう片方も同様に出っ張りを付けます。
これで、本体部のモデリングが完了しました。

フライパンの本体と取っ手をつなぐ金属部をモデリング

本体部の右側に、本体につながる金属部の断面を「閉じた線形状」で作成します。
右面図で以下のように作成しました。

この「閉じた線形状」を複製して+X方向に移動し、自由曲面パートに入れると棒状になります。

このときの「閉じた線形状」のコントロールポイントの順番とブラウザ上での「自由曲面」パート内の「閉じた線形状」の順番により、
表と裏のどちらを向くかが決まります。
図形ウィンドウで「両面(裏面カラー)」をオンにすることで表と裏の状態を確認できます。
面の表と裏は特に他ツールに渡す場合は大事ですので、基本的には「両面(裏面カラー)」をオンにしておくのがよいかもしれません。
上画像の2つめの「閉じた線形状」を複製し、右面図でマニピュレータを使ってZ軸とY軸方向に少し拡大します。

見やすいように、本体部の表面材質を黒くしています。
なお、配置/複製した「閉じた線形状」のX軸方向の位置は適宜調整するようにします。

形状編集モードにし、拡大した「閉じた線形状」のコントロールポイントを3つ選択し、
上面図で-X方向に少し移動させて湾曲させます。

オブジェクトモードで、拡大/湾曲させた「閉じた線形状」を複製し、上面図で-X方向(本体側)に寄せます。

この「閉じた線形状」は本体にめり込むようにしました。

プリミティブの円柱をポリゴンメッシュで作成し、留め金にします。
複製して3つ配置しました。
それぞれは、フライパンの本体部と金属部を貫通させています。

分かりやすいように、表面材質を灰色にしています。
この円柱は、よほどズームしないと目立たない形状であるため、プリミティブ生成時の分割数U を16、分割数Vを1としています。
また、面取りもしません。
アセット1つ1つが大量に集まるシーンを想定する場合、個々の形状で省けるところは省いて最適化するようにします。
この留め金の3つの円柱をブラウザで選択し、「オブジェクトの結合」で1つにまとめて「留め金」という名前にしました。

これで、本体とつなぐ金属部のモデリングが完了しました。

フライパンの取っ手部をモデリング

取っ手部分は、前回の「まな板」と同じで穴あきの形状です。
モデリング手順もだいたい同じで、ポリゴンメッシュで作成していきます。

ポリゴンメッシュの直方体を配置します。

形状編集モードで「ループスライス」を4回使って、穴を開けることができるように分割します。

上面図で、穴部分の2つの面を選択して削除し、側面部を「面を張る」でつなげます。

取っ手部分は丸みを帯びていますので、ここで「サブディビジョンサーフェス」を使います。
ブラウザで取っ手のポリゴンメッシュを選択し、形状情報ウィンドウで「サブディビジョンサーフェス」の「分割手法」で「OpenSubdiv」を指定します。

分かりやすいように取っ手を青色にしました。
このままでは取っ手らしくないので、ループスライスを使って分割を増やします。
3か所ループスライスしました。

上面図から見て、左端(金属部寄り)に追加した稜線の影響でサブディビジョンサーフェスの丸めが浅くなっているのを確認できます。

形状編集モード+頂点選択モードで個々の頂点を移動し、若干の湾曲やリサイズを行います。

形状編集モード+面選択モードで上面図で金属部寄りの面を選択し、正面図のマニピュレータでY軸方向に縮小します。

これにより、取っ手が平面ではなく、中心部がわずかにへこむ表現になります。

以上で、フライパンのモデリングが形になりました。

長くなりましたのでいったんこれで区切り、次回マテリアルの指定を行うようにします。

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